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「うわぁ、やっぱりお正月は人が多いよねっ!この神社にこんなに人がいるところなんて、お正月以外には見たことないよ~。」 「こら、ラブ。そんなにはしゃがないの!ここに初詣に来るのは、初めてじゃないんだから。」 「だって、美希たん。いつもは家族で来るから、三人で来るのは初めてだよぉ。あ!綿あめの屋台が出てる!」 「ラブちゃん、まずはお参りをしてからね。ほら、あそこで手を洗って。」 はしゃぎまくるラブを、呆れた顔でたしなめる美希。苦笑しながら、準備良くコートのポケットからハンカチとお賽銭用の小銭を取り出す祈里。 中学一年生の三人は、初めて三人だけで、地元の神社に初詣にやって来た。 三人それぞれに何事かを一心に祈ってから、お正月だけは開く社務所で、お守りや破魔矢を見る。そのうちラブが、おみくじを引こうと言い出した。 「せーのっ!」 神社の境内の隅で、三人同時に自分のおみくじを開く。 「やったっ!あたし大吉!」 「あ、ラブちゃんも?わたしも!」 嬉しそうに声を上げる二人に、美希は目を丸くする。彼女の手の中にあるおみくじは・・・これまた大吉。三人引いて三人とも大吉なんて、この神社のおみくじには大吉しか入っていないのか?しかし、一瞬浮かんだその疑問は、あちこちから聞こえてくる声で、すぐに打ち消された。 「お母さん、吉だって。これって、いいの?悪いの?」 「お前、中吉か。いいなぁ。俺なんて末吉だよ~。」 (別に、みんながみんな大吉ってわけじゃないのね。とすると、やっぱりアタシたちって、今年は揃いも揃って、それだけ運がいいってことなのかな・・・。) 「どしたの?美希たん。」 「ひょっとして、あんまり良くなかった?」 心配そうなラブと祈里の顔に、美希はハッと我に返る。 「そ、そんなことないわよ!アタシも大吉だったわ。」 「えーっ、その割りに反応遅かったけどぉ?ちょっと見せて!」 いつになく疑わしげなラブに、美希はしぶしぶ、手に持ったおみくじを見せる。 「うはぁ、ホントだ!凄いね。今年は三人揃って、幸せゲットだね!」 打って変わって底抜けの明るさを放つラブの声に、美希もようやく笑顔になる。が、今度はやけに得意そうな声が聞こえてきて、再び顔が引きつってきた。 「なになに?勉学!怠り無く精進せよ。うーん、まぁ頑張れってことだよねっ、美希たん。失せ物、って何?なくし物?えーっと、遅かれど出る。良かったね!それから・・・いえ・・・いえうつり?北は凶。あ、北の方に引越ししちゃダメなんだって。やっぱり寒いってイメージだからかなぁ。それからぁ、れんあい・・・」 「ちょっと、ラブ!なに人のおみくじ勝手に読んでるのよっ!アタシ別に何もなくしたりしてないから。それに、勝手に人を引越しさせるんじゃないわよっ!」 美希は自分のおみくじを引っ込めて、代わりにラブのおみくじを強引に三人の目に触れさせる。 「ほらぁ、ラブのだって、いろいろ書いてあるじゃない。勉学、ただひたすら精進せよ。これって、とにかく必死で頑張らないと知りませんよ、って意味なんじゃないのぉ?」 「ええっ、美希たん。そんな殺生なぁ!」 「まだあるわよ。争い事。勝ち難し、退くが利。」 「ど、どういう意味?」 「えっと、喧嘩したって勝てなくて怪我をするだけだから、意地になって何度も向かって行ったりしないで、さっさと逃げなさい、って意味ね。」 「とほほ・・・。ブッキー、こんな短い言葉なのに、意味はそんなに長いのぉ?」 「それからぁ、待ち人は・・・」 ラブの泣き顔にいたずらっぽく微笑んでいた祈里が、その次の美希の言葉を聞いて、急に驚いた顔をして自分のおみくじを見た。 「わたしのも・・・。待ち人って、良いとされている方角はラブちゃんと一緒。しかも、必ず来るって。」 「えっ?アタシのは・・・多少遅かれど来る。あっ、方角は二人と一緒だわ。」 さすがにここで三人、顔を見合わせる。 「全員・・・同じ方向から待ち人がやって来るのかな。」 「まさか、三人揃って?あ、でも美希ちゃんは「遅かれど来る」なんだから、一緒には来ないのかしら。」 「え~・・・どうしてアタシだけ遅いのかしら。失せ物も、遅かれど、って書いてあるし。」 「美希たん、なくし物なんて無いって言ってたじゃん。」 「そ、そうだけど、書いてあったら気になるじゃない!」 ひとしきり騒いだ後で、改めて顔を見合わせる三人。 「でもさぁ、何だか不思議だよね!揃って大吉だっただけじゃなくて、こんなところに共通点があるなんて。」 「そんな呑気なこと言って~。ラブのが一番意味深じゃない。心して待て、なぁんてさ。」 無邪気な笑顔を見せるラブに、わざとらしく真面目な顔を作ってみせてから、美希はさっきから気になっていたことを、祈里に質問してみた。 「ねぇ、ブッキー。そもそも『待ち人』って何?待っている人、っていう意味?」 さすがに即答は難しかったのか、祈里は鞄の中から小さな辞書を取り出す。 「えーっと・・・『待ち人』っていうのは、『何らかの意味で、来て欲しい、会いたいという出会い全般に関する人のこと。自分の運命を導く人。運命の相手。』だって。」 「運命の相手って・・・ひょっとして、彼氏とか!?」 「か、彼氏って、美希ちゃん・・・。今年中に彼氏ができるなんて、二人はともかく、女子校のわたしには絶対無理だから!」 「あはは、冗談よ、冗談。そもそも『恋愛』っていう項目が別にあるんだから、そうとは限らないんじゃない?」 心なしか饒舌になっている美希と、いつになく顔が赤くなっている祈里。そんな二人をよそに、ラブは目をキラキラさせる。 「運命の人かぁ。きっとあたしたちそれぞれにとって、すっごく大切な、すっごく素敵な人だよね。どんな人なんだろう・・・。なんか、そんな人が現れるのかもって思っただけで、今年も幸せゲットって感じ。」 ラブの言葉に、美希も祈里も顔を見合わせて、ニコリと微笑んだ。 「そうね。アタシたちの運勢、今年は完璧だもの。」 「うん。きっと素敵な年になるって、わたし、信じてる。」 ☆ ☆ ☆ あれから二年。 「穏やかなお正月になって良かったわね。」 慌ただしい昨日までとは、空気まで違って感じられる元日の朝。美希はにこやかに、傍らの親友を見やる。 「ええ、ホントに。」 同じくにこやかに答える祈里は、山吹色を基調にした可愛らしい着物姿。かく言う美希は、遠目には黒に見えそうな濃紺の地に、大ぶりの花模様をあしらった着物を大人っぽく着こなしている。 二人が向かっている先は、四ツ葉町にある、あの神社だ。 「それにしても、あの神社に揃って晴れ着でお参りに行ったら、きっと目立つわね。」 ちょっと肩をすくめてみせる美希に、祈里は相変わらずのんびりとした口調で返す。 「だって、今日は特別だもの。美希ちゃん、ちゃんとアレ、持ってきた?」 「もちろん。ちゃんと『失せ物』にならずに仕舞ってあったわよ。」 美希と祈里は、互いに小さな細長い紙片を手にして、笑い合った。 あの神社に、みんなでお礼参りに行こう。そう言い出したのはラブだ。 去年もみんなで初詣に行ったものの、戦いやその後のダンス大会やら様々なごたごたで、三人ともあのおみくじのことは、きれいさっぱり忘れていた。 今年はぜひともみんなでお参りに行って、ちゃんとお礼を言って来よう。そして、三人のおみくじを神社の木に結んでこよう。そう提案したラブの気持ちは、そのままみんなの気持ちでもあった。 「あ、来たわ。」 向こうから、二人の少女が小走りで近づいてくる。 淡い桃色の地に小花を散らした可憐な着物を着たラブと、もう一人。 エンジ色に金の縫い取りが入ったあでやかな着物姿で、着物に負けないくらい晴れやかな笑みを浮かべている少女は――。 三人のおみくじに共通して書かれていた方角を示す文字をその名に持った、三人の大事な、『待ち人』だった。 ~終~
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初めて見たその大人びた顔に、私は――― ラブと一緒に住める事になり、これ以上ない幸せを私は日々、実感していた。 起きるのも一緒。 歯磨きも、朝食も、登校も下校も。 遊んだり、ダンスをしたり、泣いたり笑ったり。 ねぇ、ラブ。 私と一緒にいて楽しい?私と一緒にいて嬉しい? いつしか、私の心の奥底に宿る感情。 こんな気持ち、初めてだった。 それはどこか、もやもやして。 伝えたいのに―――伝えられない 私はこちらの世界に来て、多くの事を学んだ。 もっともっと知りたい事がある。 知りたい人が…いる。 いや、 知りたい人が―――出来た 「せつなー!ドーナツ食べにいこっ!」 「あっ、あのねラブ。ごめん、先に帰って…」 「えぇ~。今日約束したじゃ~ん。デートするって~」 「…ごめんねラブ。」 違うの。 何かが違う。 それが何かはわからないのだけれど。 いつもと変わらず、明るい笑顔でみんなに接する貴方。 それは私にも一緒で。 嫌。 嫌よ、ラブ。 私には。 私だけには――― あの時。 私だけを見詰めてくれた。 私だけを抱きしめてくれた。 嬉しかった。凄く嬉しかったのよ、ラブ。 幾月が経ち、貴方はいつも、私の傍にいてくれる。 ありがとう。 毎日感謝しているわ。 でも。 でもね? 次のステップに進んでもいい頃だと思うの。 私は最近、図書館で一人本を読んだり、考え事をしたりする。 悩む事はあまり良くないとラブは教えてくれた。 何も言ってないのに、私の表情一つで悟られてしまう。 悩む原因は―――貴方の事を―――愛しすぎてるから がんぼう【願望】 (1)ねがいのぞむこと。がんもう。 「強い?を抱く」 (2)〔心〕 精神分析で、主に意識されていない欲望のこと。 国語辞典を開く時、必ず見てしまう言葉。それが〝願望〟 もっと愛されたい。 もっともっと愛されたい。 愛し続けてほしい。 ―――私だけを でも、これじゃ意識している事になってしまうわよね。 少し頭を冷やさないと。 こんなんじゃ、ラブに笑われてしまうもの。 普段の私、東せつなを演じなくては。 せっかく誘ってくれたデートを断ってしまった。 私の理不尽な我侭で。 謝るよりも、ラブの大好きなハンバーグを作って、笑って許してもらおう。 精一杯の―――愛を込めて ~END~
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天からこぼれた雫、その最初の一粒が、アスファルトに小さな染みを作る。 やがてそれを追うように、ポツポツと音が生れて。 「雨?」 黒雲に覆われた空を見上げて、せつなはその愁眉を顰める。 おばさまの言った通り、傘を持ってくれば良かった。思ってみるものの、後の祭りで。 降り注ぐ秋雨の中を、せつなは駆け出したのだった。 Rain Drops サーサー。 文字にすれば、そんな音。激しいという程ではないけれど、霧雨とはとても呼べない。雲に覆われた空に太陽の光は踊らず、街は薄闇に包まれる。 パチャパチャと歩道に出来た水溜りを踏みながら、せつなは急ぐ。だが未だ家は遠く、制服はだいぶ湿り気を帯びてきていて。 「せつなちゃん!!」 かけられた声に、彼女は立ち止まる。辺りを見回せば、定休日のお店の軒先に張り出したアーケードの下に、親友がいた。 「ブッキー?」 こっちこっち、と手招きする祈里の元に、せつなは駆け寄る。彼女も同じように急な雨に降られたのか、その髪は少し濡れていて。 「どうしたの? こんなところで」 「雨宿り、だよ。多分、この雨、そんなに長くは続かないと思うから」 だから一緒に待ってよ? 微笑みながら言う祈里の言葉に、せつなは空を仰ぎ見る。 黒の雲に切れ目は無く、はるか彼方まで青の空は見えない。とても、すぐに止むとは思えなかったけれど。 「そうね。そうするわ」 頷いて、彼女は祈里の隣に並び立つ。どうせびしょ濡れになるなら、無理して今でなくてもいい。それより、せっかく偶然、友達に会えたのだから、少しぐらいお喋りをしていってもいい。 そのほうが、きっと楽しいから。 「急な雨だったね」 鞄から取り出したハンカチで髪を拭うせつなに、祈里は空を見上げながら、困ったなぁ、と続ける。 だがその言葉とは裏腹に、彼女の声は少し楽しそうな響きが混じっていて。 「ブッキー、楽しそうね?」 「え? そうかな」 首を傾げてこちらを見る祈里の姿に、せつなは小さく頷く。どして? そう問いたげな顔をしている彼女に、祈里はうーん、と考え込む。 やがて彼女の口から出た問いかけは。 「せつなちゃんは、雨、嫌い?」 「そうね。あんまり好きじゃないわ――――特に、こんな風に急に降って来る雨は」 恨めしげにせつなは、天を仰ぐ。テレビの天気予報は、曇りだけれど雨は降らないと言っていた。それを信じて彼女は、傘を持って出なかったのだけれど。 そもそも、ラビリンスで育ったせつなには、雨が急に降り出すということが驚きだった。 管理国家の名の通り、ラビリンスでは天候も管理されていた。雨だって、必要な時に必要な分だけが降るし、それは事前に全国民に知らされていた。だから、傘を忘れるということはなかったし、急な雨に慌てるなどということもなかったのだ。 だが、この世界では。 「そういえばラブも、雨は好きじゃないみたいだったわ」 「外に遊びに行けなくなるからでしょ?」 窓に張り付いて、憂鬱そうにしている彼女の姿が容易に想像できて、祈里はクスクスと笑う。つられて、せつなも少し笑って。 「ブッキーは? 雨、好きなの?」 「わたし? そうだなぁ、濡れるのは、やっぱり好きじゃないけど」 でもね、と彼女は続ける。 「せつなちゃん。目を閉じて、耳を澄ましてみて」 「耳を?」 コクリ、と頷く祈里はすでに目をつぶっていて。 戸惑いながらも、せつなは彼女に倣う。 ポツポツ。アーケードを叩く雨の音。 ピチャ、ピチャ。地面の上で雫が跳ねる音。 パチャン。木の葉から水滴がこぼれる音。 いくつもの音が重なり合い、旋律が生れる。そこに規則性はなく、それぞれが独立しているにも関わらず、まるで。 「音楽みたいに、聞こえない?」 感じていたことを、祈里が先に口にする。 目を開けて隣を見れば、彼女は優しい微笑を湛えながら、こちらを見ていて。 コクリ、と無言のまま頷いて、せつなはまた瞼を閉じる。 絡み合う幾つもの音色は、耳に優しく、ゆっくりと心に染み渡っていく。 「素敵・・・・・・」 思わず、そうせつなは呟く。雨が生み出すさざめきが、こんなにも綺麗で、穏やかなものに感じられるなんて、知らなかった。 「でしょ?」 祈里は彼女の言葉に満足したかのように、小さく囁く。同じように、目をつぶりながら。 「雨だって、そんなに悪くないよ」 並んで立つ二人。瞳を閉じて、耳を傾ける。 自然が生み出す交響曲。呼吸をする度に、冷たく、だがとても清浄な空気が体を内から浄化する。 少女達の間に会話はない。それでも彼女達の心は、とても満たされていて。 やがて雨脚は弱まり、オーケストラは去って行った。 アーケードから零れ落ちた雫が、せつなの足元で小さく跳ねる。また少しだけ、ローファーが濡れる。けれど、それを憂鬱に感じることは、もうなくて。 どこか満たされた気持ちで、目を開けた二人は。 「――――!!」 「わぁ・・・・・・」 同時に息を飲む。 いつの間にか、黒雲には切れ目が生まれ、そこから日の光が差し込む。 太陽はそこに、奇跡を生み出していて。 七色の橋が、天にかかる。キラキラ、キラキラと輝き、ゆらめき、少女達の心を奪う。 「ホントね」 「え?」 「雨も――――悪くないわ」 微笑み合う二人を、爽やかな風が包み込む。 秋はまだ、始まったばかり。
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ラブ「実はね・・・」 「夏休みの宿題ぜーーーーーーーんぜんっ手付かずぅぅぅぅぅ!!!!!」 三人(ポカーン、、、) ラブ「あはっ。。。申し訳m(__)m」 せつな「何で誤っているの?わからないわ。」 祈里「くすくす。お腹痛いよラブちゃん♪」 美希「呆れた、、、。帰るよブッキー。せつなもおいで。」 ラブ「ちょ、ちょ、ちょ!!!ちょーいまてェ~」 バタンっ ラブ「何もタダで手伝ってとは言いませんよ。無論、お礼も超超豪華☆キラッ」 せつな「何かくれるの?プレゼント?私嬉しい。」 美希「コラコラ。騙されちゃダメよせつな。」 祈里「でもラブちゃん困ってるみたいだし・・・。」 ラブ「さっすがブッキー。私、涙出ちゃう(ウソ」 美希「もう・・・、二人ともお人好しすぎるの。こんなのラブのためにならないのよ?」 祈里「まぁまぁ美希ちゃん(苦笑」 せつな「で、私はどうすればいいの?」 美希「話はやっ!」 ラブ「みんなで手分けしよう、そうしよー♪」 祈里「じゃあ私は作文かなー」 せつな「この計算式なら私出来ると思う」 美希「ったく。私は一番難しいのじゃない(身近な物のデッサン」 ラブ「助かりますです。。。私は日記担当!」 せつな「過去の事とか覚えているの?」 ラブ「感w」 ~数時間後~ 美希「終わった~!めちゃくちゃ疲れた。。。」 せつな「数字書きすぎて腕が痛いわ・・・」 祈里「頭の中文章だらけ、、、」 ラブ「全部曇りにしちゃったwww」 祈里「あ!ラブちゃん、私たちのお礼って何?」 美希「いけない!忘れるトコだった。」 せつな「ドーナツかしら?」 ラブ「コホンっ。驚くなかれー」 「チューしてあ・げ・る♪」 美希「な…ι」 祈里「え!?えぇぇぇ!?」 せつな「?それって日本の伝統なの?」 ラブ「そです。」 美希・祈里「んな訳あるかーい」 お粗末!初めてのパロでしたw
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せつなも隅に置けないわよね。あのラブを落としたんだから。 恋に無頓着だと思ってた二人が、アタシより先に恋愛進行形になるなんて。 ほんとはアタシたち――――なんだけど 「美希ちゃんは何をお願いしたの?」 「えっと......好きな人と一生幸せに…ってコラっ!」 「や~ん」 ラブみたいに瞬間、心重ねるようなカッコイイ台詞も言えず。 せつなみたいにときめくようなカワイイ台詞も言えず仕舞い。 そんなアタシに、神様は微笑んでくれるのかしら? ブッキーはいつも笑ってばかりで、アタシの気持ちなんてどこ吹く風みたいだし。 「ブッキーは何をお願いした訳っ!?」 思わず口調が荒くなってしまう。それもそのはずなのよね。 何か完璧だと思っていた人生に遅れが出始めたと言うか…。 焦ってるんだろうな――――アタシ 「言っちゃうとお願い……叶わないのかな?」 ブッキーの表情が急に暗くなる。少しばかり反省をしつつ、アタシは問いかける。 「ブッキーらしくないわね。神様信じてるんでしょ?」 「………」 俯いたまま頷く彼女を見て、アタシは言葉を続ける。 「ブッキーじゃないけど、アタシ、今年は神様信じてみようかなって。」 「えっ?」 「ラブとせつなを見てたら羨ましいと思った。けどね、同時に.....」 その後の言葉は言わずに飲み込んだ。カッコ悪いと思ったから。 人混みをかき分け、アタシとブッキーは帰路につく。 神社の鳥居を潜ると、いつもと変わらぬ風景が目の前に広がって。 「わたしたちも負けてないと思うよ?」 再び無邪気に笑う彼女。自然とアタシも笑顔になれる。 「そう言っといて、肝心な時にいーっつも逃げるじゃない。」 チョット嫌味な顔して答える。告白しようかなって思うと気を察して誤魔化すのよね。 「だってはずかしいんだもーん。」 後ろ手にしてモジモジする姿がまたカワイイんだけど。 ブッキーってズルい女。 どこまでアタシをトリコにする気なんだか。 「やれやれ…。ま、いいわよ。もう先行くからね。」 振り返らずに前へ進む。遥か前方………、いや、スグに追い越してみせるんだから。 待ってなさいよね、ラブ。せつな。 「待ってよ~美希ちゃ~ん!」 間も無く、背中越しに感じる彼女の体温。 アタシの気持ちに鈍感だけど、アタシのハートには直ぐ火を点けるのよね。 「で、何をお願いした訳?」 「わたし、美希ちゃんとしあわせになりたいですって。」 ~END~
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「みてみてせつな!」 「これって…」 「虹だよ、虹っ!なかなか見れないんだよっ!」 「どして?」 「…どーしてだろ?」 「今晩から明日の朝にかけて暴風域に入ると思われます―――」 四ツ葉町に近付いている季節はずれの大型台風。 テレビでは注意や警告を促す放送が止まる事なく流されていた。 「今日は眠れそうにないな」 「そうね…。もう12月だって言うのに」 圭太郎とあゆみの表情には緊張感が漂っていた。 この町は大丈夫なのか。家は持ち応えてくれるのか。避難も十分想定内にいれつつ。 「こりゃ明日学校休みだね。にひっ」 「そんなのんきな事言ってていいの?おとうさんとおかあさんの顔見てみてよ」 「険しいです」 「でしょ?冗談言ってられないのよ。私怖いわ…」 「みんな考えすぎだってー。台風ってさー、案外早くいっちゃったりするじゃんか」 「そなの?寝てる間に…とか?」 「うんうん。で、あたしはいっつも肩落として学校行くんだよ…。とほほ…」 「なら明日も休みにはならないじゃない。」 「せめて今日だけは期待させてよせつなぁ。夢を壊さないでっ!なーんて」 「くすっ。ラブったら」 子供たちにとっては、台風もまたイベントの一つなのかもしれない。 親の心配など露知らず。雨戸に叩きつける雨風は次第に強さを増していくのであった。 「さ、もうラブとせっちゃんは寝た方がいい。いつ何が起こるかわからないからね」 「そうね。枕元には着替えも一応準備しといてちょうだい。お母さんたちはもう少し様子を見てからおやすみするわ」 「わかりました。おやすみなさいおとうさんおかあさん」 「つまんないなぁ。もーちっとしゃべってようよぉ」 「ラーブ。明日学校あるんだから寝ましょ」 「ぶぅ…」 「おやすみ二人とも」 「ちゃんと寝なさいよラブ」 「はーい」 いつも以上にどこかワクワクしているラブと、両親の真剣な眼差しを見て事の重大さに気付くせつな。 次第に雨足の強くなる音が家の中にいてもわかる。 刻々と近付く暴風域。12月だと言うのに雪ではなく、台風がやってくる。 「あ、あのさぁ…」 「何?」 「せつなが心配だからさぁ…」 「?」 「そ、その…、あ、あれだよあれっ」 「だから何?」 本当は怖い。今まで経験した事のない雨音が桃園家を襲ってくるのだから。 ラブのワクワクはとっくに何処かへ置き去り。本当に学校が休みになるぐらいの台風だったら、それこそ一大事なのだから。 「一緒に寝よう!」 「えぇ???」 咄嗟に抱きつかれてしまったせつな。ラブのこんなお願いの仕方は初めてで。 やはりラブも自分と同様に怖いと感じているのだろう。目を瞑ったまま抱きついてくる姿に、せつなはどこか、愛おしさを感じてしまった。 母が我が子を抱きしめるかのように、せつなはそっとラブを包んであげる。 「私で良かったらどうぞ」 「ありがと…せつな」 期待していた答えに安堵の表情を浮かべる。 せつなもまた、ラブと一緒にいられるのなら心は落ち着くと思っていた。 考えてみれば、二人が一緒に寝る事は初めてで。 同居してから月日が経ち、何もかもが自然な流れになっていた。 一つ屋根の下で暮らす事。 本当の家族。みんなが幸せ。生きる事の喜び。 毎日が楽しく過ぎていった。 緊張。 何故か高鳴る鼓動。 それは言い出したラブからでもなく。せつなでもなく。 ―――二人同時に訪れた〝ドキドキ〟――― み-566へ
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「後で、部屋に来てくれる?」 プレゼントがあるの。 そう、せつなに、はにかんだ上目遣いで見られてドキドキした。 部屋なんて言われなくても毎日行ってるんだけど、あんな顔見せられたんじゃ いやが上にも期待してしまう。何なんだろ?プレゼントって。 夕飯後、約束通りせつなの部屋へ。 もうお風呂も済ませたはずなのに、せつなはいつものワンピース姿。 とっくにパジャマ姿のあたしはベッドに腰掛けて、せつなの様子を窺う。 なんか……、もじもじしてるし。 「ねぇ、プレゼントって?気になっちゃうよ。」 つい、我慢できずにあたしから聞いちゃう。せつなから言うの待とうと思ってたのに。 「……うん…、これ…。」 せつなはあたしの前まで来ると、ゆっくりスカートをめくりあげる。 その場で鼻血吹かなかった自分をほめてやりたい。 目に飛び込んで来たのは…… 極端に布の少ない深紅のおぱんつ。横を細い紐で蝶結びにしてある。 白い肌と深い赤が絶妙のコントラストで、こう言うの、何て言うんだろ? 挑発的?いや…扇情的? せつなは熱っぽく潤んだ目であたしの様子を窺っている。 ほっぺが赤い。精一杯、『恥ずかしいけど頑張ってみたわ!』と言う風情だ。 いやいやいや、これはこれは……。 思わず手を伸ばして、下着の縁をなぞるように指を這わせる。 せつなが、ぴくっと震える。 「…………ほどいて…」 その場で倒れなかった自分をほめてやりたい。 せつな、あたしを殺す気? 這わせていた指を、横の頼りない紐に伸ばし、ゆっくり引っ張る。 しゅるん…と微かな衣ずれの音。はらりと小さな布切れが落ち、 せつなの下腹部が露に…… と、思った瞬間、せつなはめくっていたスカートをぱっと下ろし、 「ふふふ、おしまい。……これがプレゼント。」 そんなぁ、それはないよ! あたしは座ったまませつなを抱き寄せ、スカートの中のおしりをなでまわす。 たった今、下着をとってしまったんだからもちろん生肌。 うん、相変わらずスベスベ…。 「プレゼント、って事はさ。さっきのはラッピングでしょ?」 あんな事しといて、それだけで済むと本気で思ってんの?この子。 「……ほら、おいで。」 あたしはベッドに深く腰を掛け直し、あたしを跨がせるように せつなを膝立ちにさせる。 ……くちゅ…… 腿の間を探ると、すでにぐずぐずに潤んでいる。 「ねぇ、まだあたし何もしてないよ?何でこんなになってるの?」 あれでおしまい、なんて本気じゃないよね? せつなは目を伏せて真っ赤になってる。 あたしはせつなの羞恥を煽るようにわざと音が出るよう指を前後させる。 「あっ、あっ…ラブ!…んんんっ!」 敏感な突起はすでにぷっくりと勃ち上がり、震えながら刺激が与えられるのを 待ちわびている。 それに愛液を塗りつけるように、くりくりと指の腹でなでまわす。 「あぁあっ!…っダメ!それダメ…あっあっ…やめてぇ!」 ダメじゃないでしょ?せつな、これ大好きだもんね。 涙を浮かべながら、イヤイヤをするように首を振るせつな。 すごい、えっちな顔してる。 「ラブぅ…お願い…、電気…消して……ぁん、んっ!」 それには答えず、中指と人差し指をせつなの入り口にあてがう。 つぷっと言う手応えと共に指が飲み込まれる。 空いてしまった突起は、今度は親指で弾くように刺激する。 電気?消さないよ?だって、こんな明るいとこで、 せつなが可愛い顔見せてくれるなんて滅多にないもん。 「やぁああん!はぁっ!ダメっ…ダメなのっ!やぁっ…めぇ…ラブっ!ラブぅ!」 んん?もうイッちゃいそうかな?今日は随分早いね。 あたしは指を、ぐっと奥まで突き入れ、突起をこねる親指のスピードを上げる。 「ひぁっ……、はぁん…あっあっあっあっ…んっくぅ…」 せつなの腰がガクガクと痙攣し、指が抜けなくなるんじゃないかと 思うほど中がキツく締まる。 熱い体液が奥から溢れ出し、手のひらからこぼれそうなくらいだ。 肩で息をするせつなの両目から涙が一粒ずつこぼれる。 「随分、派手にイッちゃったねぇ。」 少しからかうように顔を覗きこむと、 せつなはあたしの肩に額を擦り寄せてくる。 耳元で、くすん、と鼻をすすり上げるせつな。 「なに?恥ずかしいの?」 言わずもがなだろうに、意地悪く聞いてみる。 せつなは黙ってあたしの首に腕を回してかじりついてくる。 「……ふぅ…ん、……はぁ…」 まだ入れたままの指をゆるゆると掻き回すと、せつなは鼻に掛かった甘えた吐息をもらす。 「………続ける…?」 せつなが肩口でコクンと頷く。 夜はまだ始まったばかり。
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最近、私にはちょっとした楽しみが増えた。 私だけが味わえる、ほんの一時の幸せ。 愛してるあなたの顔を鏡越しで見る至福の時間。 「ラブ・・・、今日もいいかな?」 「お~、来たかぁ~。もっちろん、OKだよ!さ、どうぞ。」 お風呂上がり、私はわざと髪を不完全に乾かしたままラブの部屋を訪れる。 あゆみお母さんには内緒だけど、私のために買ってくれたシャンプーやリンス、実は使ってない。 ラブと一緒のをこっそりお小遣いで買っている。勿論、ラブにも内緒で・・・。 「せつなぁ、もう少し水分拭き取ってからおいでよぉ。パジャマちょっと濡れてるよ?」 最初は心配してくれてたラブも次第に呆れたり、困ったり、ちょっぴり怒ったり。 そんな顔を鏡越しで見るのも幸せに思えて。 「ごめんなさい。ラブが乾かしてくれると思うと何だか焦っちゃって・・・。」 「照れるからやめてよ~。」 そう言って、顔をほんのりピンク色に染めるラブがとても可愛い。 「せつなの髪ってほんとサラサラしてるよね。羨ましいなぁ~」 「サラサラしてないとダメなの?私はラブの髪、好きよ。」 髪だけじゃなく、笑顔も声も暖かい心も、みんな好き。私を大切にしてくれるラブが一番好き。 「ここんとこずっと気になってたんだけどさぁ。」 「何?」 「せつな、シャンプーかリンス変えた?」 そう言って私の顔を覗き込む。ドキっとするぐらい近くにラブを感じる。 「ど、どして?」 別に焦る必要は無いんだけど。やましい事をしてる訳じゃないのに。ちょっぴり自分が面白い。 「ドライヤーしてるとわかるんだ~。せつなの髪の匂い。すっごくいい匂いなんだよ~。」 「ほんと?何だか嬉しいな・・・」 私はどこか照れくさいと言うか、再び鏡越しにラブの顔を確認して。勿論、ラブは私に微笑みかけてる。 「はい!終わったよ。」 至福の時間はあっという間に終わってしまう。あまりにも短く感じてしまうのは何故なんだろう。 「ありがとラブ。いつもごめんなさい。」 「うぅん。また明日もおいでよ!いつでもせつなだったらウエルカムなんだから!」 「ねぇラブ・・・」 「ん?」 「今度は・・・、私がラブの髪を・・・」 真正面からは恥ずかしくて言えなかった。鏡越し、ラブが何だか遠くに感じる。すぐ後ろにいるのに。 「お願いしてもイイ・・・かな?」 ラブの顔がまたピンク、いや赤く染まってるのが私にはわかった。お互い照れてるのも楽しくて。 「でも私はちゃーんと髪を乾かしてくるからねっ!」 「嫌よ。」 「ちょっとぉ・・・」 困惑気味のラブをよそに、私はこう呟く。 「・・・待ちきれないから・・・」 「せつなのいじわるぅ~。」 「ふふ。ごめんなさい。」 私の至福の時間。幸せの一時。お互いを大切な存在だと確認出来る空間。 ラブ、今度は私の部屋でね。
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ここはクローバータウン。幸せが集う町。 そして数年前、人々を不幸にする謎の集団から伝説の戦士が守った町でもある。 今は不幸と言う文字は存在せず、ただ幸せな一時があるだけ。 「ママー!お母さーん!みさとちゃんと遊んでくるねー!」 「うふふ、愛那ったら美里ちゃんとほんと仲良しね」 「そうだね。なんだか以前のあたし達みたい」 「む。それじゃ今は仲良しじゃないみたいじゃない」 「タハー、ごめんごめん。今も前と変わらず…ううん、前よりずっと大好きだよ!」 「も、もう!愛那の前で恥ずかしいじゃない」 「ママとお母さんを見てるとあたしまで幸せになっちゃうみたい。どしてかな?」 「愛那も、美里ちゃんと仲良くしてれば分かるわよ」 「あいなちゃーん!遊ぼー!」 「あ!みさとちゃんだ!じゃあ行ってきまーす!」 「愛那!幸せゲットだよ!」 「精一杯、遊んでらっしゃい」 「はーい!」 とある家族の何気ない風景。 そこから湧き出る幸せの泉。 様々な場所で湧き出るその泉はクローバータウン全体を覆うように広がっている。 いつしか町が幸せの湖と呼ばれる日がくるのかもしれない。 「みさとちゃん!あたしみさとちゃんが大好きだからね!」 「ありがとう、私もあいなちゃん大好きだよ!」
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突風が吹き、開いた扉の先には、東せつなが立っていた。 「ようこそ、占いの館へ」 「えっと、アタシは・・」 「知ってる。ラブのお友達よね」 「ええ。正式に自己紹介するのは、初めてだったわね。ラブの幼馴染の蒼乃美希です」 「東せつなです。このまえラブが占いの館へ来て、それから仲良くしてもらっているの」 「もし良かったら、私のことは、せつなって呼んでもらえないかしら、ラブみたいに」 「ええ、じゃ、アタシのことは美希って呼んで」 「嬉しい。この街に来て間もないから、友達が少ないの」 「立ち話もなんだから、こちらに」 そう言ってせつなは背を向け、アタシを促す。 コツコツコツ・・・ カツカツカツ・・・ アタシ達の靴の音だけが響きわたる。 確か、ラブは「大輔達は男の占い師さんに見てもらったんだってー」 って言っていたから、少なくともせつなの他にもう一人はいるはず。 けど、アタシ達の他に人の気配は全くしない。 目の前のせつなの後ろ姿さえ、現実のものでないかのような錯覚に陥る。 「美希、美希」 「えっ・・」 「あ、ごめんなさい、名前で呼んで気を悪くしたかしら」 「ううん、ちょっとぼっとしてただけ」 「ここが私の部屋兼仕事部屋ね」 と言って、前の扉に指差し、苦笑いをする。 なんでも、休む部屋は他にあるらしいが、 仕事上の研究で(占いの研究なのかな)いつも夜遅い時間まで起きていて、 仕事部屋であるここの部屋で寝てしまうことが多いらしい。 「さあ、入って」 「お邪魔します」 3脚の椅子が並んだ先には、水晶玉が置かれた机。 占いの館らしく、薄暗い照明。 奥には暗幕が張られ、部屋は続いているようだが、 仕事道具でも置いてあるのか、こちらから窺い知ることはできない。 「どうぞ、座って」 と言って、せつなは机の奥の椅子に座る。 アタシは3脚の内の真ん中の椅子に腰かける。 「それで、用件は何かしら。用があるからここに来たのでしょう?」 「・・・」 3-728へ続く